読書記録⑤米澤穂信『満願』

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今年5冊目に読んだ本は、米澤穂信さんの『満願』。

実は米澤穂信さんの小説はこれが初めてなんです。ここ最近は伊坂幸太郎さんや百田尚樹さんの小説を読むことが多かったので、そろそろこの辺で読んだ事のない方の小説を…と思ったのがキッカケで、この本を読む事に。

読んだ事のない作家さんの本を選ぶ時はたいてい、「小説 おすすめ」と検索して選ぶのですが、『満願』も小説のおすすめサイトを通じて知りました。

「このミステリーがすごい!「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」でランキング1位となっている『満願』。

三冠を達成した作品は『満願』が史上初だそうで、それだけでも期待値があがりますよね。

それではさっそく、レビューしていきます!

 

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『満願』ってどんな本?

『満願』は6つのストーリーが収録された短編集です。オムニバスではありません。

最近は短編集を読む事が増えてきたのですが、もともとは短編よりも長編が好きなので、正直、『満願』が短編集だと知った時は「短編のミステリーって物足りなさを感じそう…」と思ってしまいました。

ところが、読んでみると決して物足りなさはありません。「こんな短いストーリーでこんなに怖がらせられるなんてどういうこと!?」っていうのが率直な感想。

そう、『満願』って怖いんです!6つの短編、すべてがそれぞれに怖い!!

いろんなパターンの怖さを味わえるのが、『満願』の面白さだと感じました。6つのストーリーについて、簡単にご紹介していきます。

1.夜警

殉職した部下の警察葬を回想するシーンから始まる「夜警」。主人公は交番長の柳岡。

柳岡の部下である川藤は、警官に切りかかってき市民に拳銃を発砲します。撃たれた市民は死亡し、彼に切りつけられた川藤も殉職。

死の間際、「こんなはずじゃなかった。上手くいったのに。上手くいったのに…」とつぶやく川藤。

川藤の拳銃使用は正当な判断だったのか?

柳岡の中で引っかかっていた疑惑は、川藤の遺族との会話によって事実へとつながっていきます。

みずたま
みずたま

後味が悪いというか、何とも言えない怖さを感じます。

 

2.死人宿

2年前、突然姿を消した恋人の佐和子。彼女の居場所は、「死人宿」と呼ばれる温泉宿でした。

「今度こそ佐和子の力になりたい」と思う主人公は、佐和子の頼みで脱衣所に落ちていた遺書がどの宿泊者のものかを調べることに…。

みずたま
みずたま

短いストーリーの中で、ホッとしたり落胆したり。

こちらもまた違う後味の悪さ!

 

3.柘榴(ざくろ)

「柘榴」は、母親である「さおり」の視点と長女「夕子」の視点で交互に綴られているストーリー。

夫として選んだ成海は、家族を支える役割を果たしてはくれません。娘が中学に入り、とうとう離婚という道を選んだ妻のさおり。離婚するにあたり、二人の娘の親権について思いもよらない展開に…。

みずたま
みずたま

女の「強さ」と「弱さ」、「怖さ」を感じます。

 

4.万灯

主人公が犯した殺人についての裁判が行われている…というシーンから始まる「万灯」。

「決断の早さ」で大きな成果を上げ、現在の地位を築いてきたと自負する主人公・伊丹。彼はビジネスを成功させるため、バングラデシュでライバル企業の森下と共に殺人を犯します。

いくら仕事のためとはいえ、殺人を犯してしまった事に絶えられなくなった森下は退職して日本に帰国。殺人が露呈することを危惧した伊丹は森下を「殺さねば」と決断し、持ち前の決断の早さで日本に戻ります。

みずたま
みずたま

その後の展開は「予想だにしない」という言葉がピッタリ!

 

5.関守

都市伝説についての記事を書く事になった主人公は、先輩からもらったネタをもとに桂谷峠を訪れます。

四年の間に四件の死亡事故が起きている桂谷峠。特別危ない道ではないにも関わらず、四件の事故は同じ場所で転落事故を起こしています。

その桂谷峠の手間にあるドライブインに立ち寄った主人公は、ドライブインを経営しているお婆さんを取材する…というお話。

みずたま
みずたま

みずたま的には『満願』の中で、この話が一番怖かったーーー!

 

6.満願

表題作である『満願』。学生時代にお世話になった下宿先の奥さんであった鵜川妙子の弁護を買って出た主人公の弁護士・藤井。

妙子の罪を少しでも軽くしたいという藤井の思いを断り、控訴を取り下げ刑に服した妙子。彼女の本当の罪と目論見とは、一体…?

みずたま
みずたま

ラストは「やり切れなさ」を伴う残る後味の悪さ!

「知らぬが仏」ってあるよね〜…って思ったり。

 

『満願』のあらすじは?

各ストーリーのあらすじは超簡単にご紹介しましたが、裏表紙に記載されているあらすじもご紹介しておきます。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短編集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

(『満願』裏表紙より引用)

裏表紙を見るだけで、「読みたい!」と思わせられますよね。

 

みずたま
みずたま

お気に入りのブックカバーをつければ、「読みたい度」がさらにアップするで♪

みずたま
みずたま

みずたまは革小物が好きやねん!

こちらの財布は超お気に入り♡

 

感想まとめ

6つの短編からなる『満願』。米澤穂信さんの作品を読むのはこの本が初めてでしたが、読み応え十分です。

もうとにかく、いろんな「怖い」を味わわせていただきました!今度はぜひ、米澤さんの長編ミステリーなんかも読んでみたいなと思っています。

ここからはネタバレを含みますので、未読の方はスルーして下さい!

各ストーリーについては簡単に前述しましたが、個人的に一番印象的だったのが「関守」です。

「関守」に至るまでに、「米澤さんの話は怖いぞ」と十分に知ったはずだったのに、「関守」はなぜかめちゃくちゃ油断してしまってたんですよね…。

なぜか「怖さ」がくるなんてことはすっかり忘れて、おばあちゃんと世間話でもするかのような気分でまったりと読み進めていたら、最後の最後で急激に怖い展開に…。

みずたま
みずたま

夜中に読んでたから、ますます怖い!!

おばあちゃん、怖い!!

「関守」以外では「万灯」もビックリ度が高かったです。どの話も本当に怖くて、驚かされる展開ばかり。

「短編」というと、どうしても物語自体の重厚さに物足りなさを感じる作品になりがちなイメージがありますが、『満願』に収録されている短編はどれもそれを感じさせません。

あっという間に読んでしまった『満願』ですが、後々引きずる怖さを味わえる作品です。そのうちきっと、米澤さんの長編も読んでみます!

 

みずたま
みずたま

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