読書記録⑫桂望実『嫌な女』

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今年12冊目の読書は桂望実さんの『嫌な女』です。

タイトルに興味を惹かれて衝動買いをしてしまったのですが、実は桂望実さんの小説を読むのはこれが初めて。期待大!で読み始めました。

ただ読み始めたのが8月初旬、子供たちの夏休み真っ只中。普段なら子供が学校に行っている間に読書できていたけど、夏休みとなるとそうもいかず…。

夏休み中は子供と一緒にポケモンGOに精を出し、ニンテンドースイッチでフォールガイズを楽しみ、妖怪ウォッチぷにぷにも始めました。さらには夜な夜な韓国ドラマを見たり、アコースティックギターの練習を始めてみたり。

みずたま
みずたま

なんとなく見始めた韓国ドラマでソ・イングクくん沼にハマってもうたーーー♡

そんなこんなで読書時間を確保できず、読み始めたものの数ページ読んだところで長らく中断していました。

再び読み出したのが9月に入ってから。ページが進むごとに続きが気になり、そこからはあっという間に最後まで読み終えてしまいました。

やりたい事はたくさんあるけど、面白い本を読むと「やっぱり読書っていいな」と再確認します。

という訳で、かなり久々の読書記録になってしまいましたが、『嫌な女』のレビューです!

 

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『嫌な女』のあらすじは?

この小説、タイトルのインパクトが凄いですよね。

『嫌な女』って、どんな女?

一言で「嫌な女」と言えども、いろんなタイプの嫌な女がいるけど、どんな嫌な女なんだ!?

男性に媚びをうりまくる世渡り上手の女なのか、男性を手玉にとる魔性の女なのか、異性と同性とではあからさまに態度が豹変するような女なのか。タイトルだけでかなり想像が広がって、どんな話なのかが気になりますよね。

そこでまずは『嫌な女』の背表紙に記載されているあらすじをご紹介します。

 

初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまう。小谷夏子は男をその気にさせる天才だ。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。そんな生来の詐欺師を遠縁に持つ弁護士・石田徹子は、夏子がトラブルを起こすたび、解決に引っぱり出されるのだが…….。対照的な二人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動をよぶ傑作長編。

(『嫌な女』背表紙より引用)

 

このあらすじを見るだけで「嫌な女」の夏子と、夏子とは対照的な主人公の徹子のイメージが浮かんできますよね。でもこの二人の人生から、どんな感動が待ち受けてるのかは謎。

 

みずたま
みずたま

「二人の女性の人生を描き出し…」ってところがポイントやったんや!

 

実際に読み進めていくとわかるのですが、実はこの物語、彼女たちの人生の一部を切り取ったお話ではないんです。

若さと美しさを兼ね備えた夏子がチヤホヤされる。いろんな厄介事を徹子に押し付けてくる。そんな時代もあったよねー…的な展開を想像していたのですが、全然違う!

「人生」ってよく見聞きする言葉だけど、その深さや重みを噛み締める事ができる。そんな物語だと感じました。

それでは、もう少し具体的な内容をご紹介します。

 

『嫌な女』ってどんな本?

『嫌な女』は第一章から第8章で構成されています。ちなみにそれぞれの章にサブタイトルはついていません。

どの章も、小谷夏子から詐欺被害を被った人の言い分から始まっています。言い換えると、夏子は人生のうちに8回も詐欺行為をはたらいたって事!

みずたま
みずたま

8回で終わったのかどうかはわからんけど。

 

第一章の時代設定は昭和53年。読み始める前は勝手に「現代」の話だと思っていたので、結構昔の話なんだ!?という事にまずビックリ。

この時点で主人公の徹子は「イソ弁として働き始めて2週間」という新米弁護士です。

みずたま
みずたま

「イソ弁」ってなんやろ?ってググってみたら、「いそうろう弁護士」って事やねんな!

 

徹子と夏子は遠縁の親戚。ほとんど接点もない関係で、いきなり夏子から連絡があった時も名前を聞いただけではすぐにはわからなかったというような関係性でした。

でも、実際に夏子に会ってみると幼い頃の記憶が蘇ります。その記憶を見るだけでも、ほんと「嫌な女」!

そんな夏子からの相談を、この先何十年と徹子は受けていく事になるんです。

読者はもちろん、主人公・徹子も夏子の事を「嫌な女」だと思っているのですが、夏子との関わりが増えるにつれ、夏子の良いところにも気付かされもします。

人間誰しも短所ばかりではないように、詐欺ばかり働く夏子ですが愛される理由もあるんですよね。

確かに夏子には魅力がある!夏子といると自信が持てたり、人生が明るくなったり。そうさせてくれる存在をかけがえのないものに感じるのも至極当然。

でも!!そんな大きな魅力を持っている反面、悪いことするんですよ。…いや、必ずしも悪いとも限らないものもあるかな。

夏子に対して、そんな気持ちの変化が主人公にも読者にも起きてくる。さらにはちょっと夏子を応援したくなるような場面までも出てくるから、夏子にはやっぱり不思議な魅力があるんでしょうね。

ただ、直接的な夏子と徹子とのやり取りがないのもこの小説の特徴。最後まで「夏子」ってどういう人なのか、よくわからないままなのです。

最初は「ほんと夏子って嫌な女だわ~」と思いながら読んでいたのですが、物語が進むにつれ、だんだんと「夏子、次は何をしでかしてくれるんだろう?」なんていう期待が膨らみます。

次から次へといろんな詐欺をしでかしてくれるのですが、当然、その間にも時間は流れているわけです。徹子のライフスタイルにもいろいろな変化があるし、徹子自身にも年齢による変化がある。

一体、何歳までいくんだろう!?

本当にこのお話は、人生を描いています。

人生って長いようで短い。短いようでも、本当にいろんな出来事がある。当たり前の事なんだけど、そんな事を考えさせられました。

そして生きていると、人との繋がりが否が応でもあるわけですよね。その繋がりの温かさも、歳を重ねるにつれて増していくのだという事にも気付かされます。

最初は夏子の詐欺行為に目が向いていたけど、最終的には徹子の人生を通して、自分の人生にまで思いを馳せてしまうようなお話でした。

みずたま
みずたま

タイトルから想像したのは徹子vs夏子のお話やってんけど、全然違ってたー!!

ちなみにこの小説、ドラマ化や映画化もされてるんですね。

みずたま
みずたま

夏子の嫌な女っぷり、見てみたいかも!

感想まとめ

正直、この小説のタイトルを見た時に予想していたような内容とは全然違っていたのがビックリ!

もちろんタイトルだけで内容まではわかるはずもありませんが、何となくの予想では「主人公vs嫌な女」で何かしらの事件があるのかな…と思っていたんです。

例えば主人公の彼を嫌な女に奪われるとか。

でも、全然違いました。夏子と直接どうこう…っていうのではないっていうね。

ここからはネタバレを含みますので、未読の方はスルーして下さい!

まず驚いたのが、この小説はそんな端的なストーリーではなかったという事。

人生の一部分に起こった出来事ではなく、働き始めた頃から老後に至るまでの長い長いストーリーだったとは、予想だにしていませんでした。

物語の展開そのものはもちろん気になりなるのですが、読み進めるうちに少しずつ歳をとっていく設定に「何歳までいくの!?」という点もすごく気になって、最終的には「ここまできたか」と感慨深くなってしまいました。

さらに感動したのは、ずっと「孤独感」につきまとわれていた徹子の人生にかけがえのない「親友」ができていた事。

結婚して離婚もして、生涯の伴侶はいなくても、徹子の人生はひとりぼっちではない。生きていると、人との繋がりがあって、その絆がいつの間にかとても強く深いものになっていたり…。

徹子の人生を見ながら、自分に残された人生の大切さを考えたりもしました。

この先にもまだまだ出会いがあるだろうし、まだ経験したことのないような辛い別れもあるんだろうけど、人生って貴重!

生きてる事に感謝する気持ちになれた1冊でした。

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