読書記録⑩伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』

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記念すべき今年10冊目の読書は、伊坂幸太郎さんの『陽気なギャングの日常と襲撃』です。

長らく読書から遠ざかっていたものの、去年あたりからチョコチョコ読書を再開するようになり、今年はもう10冊目!年間数百冊も読んでいらっしゃる読書家さんに比べると、たかが10冊なのですが、個人的にはすごいペースです。

1作目を読んで、すでに彼らのトリコですから、2作目の期待値はかなりのもの。そんな高すぎる期待を十分に満足させていただきました。

「早く続きが読みたい」という気持ちと「読み終わるのが寂しい」という気持ち。そんな相反する気持ちで読みすすめた『陽気なギャングの日常と襲撃』のレビューです。

 

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『陽気なギャングの日常と襲撃』のあらすじは?

いつも本を買う時には必ず裏表紙のあらすじをチェックするのですが、この『陽気なギャングの日常と襲撃』に関してはあらすじを読むことなく購入しました。

なぜなら、シリーズ1作目の『陽気なギャングが地球を回す』がものすごく面白かったから!

1作目で4人のギャング達を好きになりすぎて、あらすじなんてチェックする必要もなく2作目を購入しました。

ちなみに、3作目はまだ購入していません。もう少し、お楽しみにとっておくつもりです。

そんなわけで、購入してから読み始める直前に裏表紙を見たのですが、このあらすじを見ると愛すべき強盗たちは今回、誘拐事件に巻き込まれる!?

まずはあらすじをご紹介します。

嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇───天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス!

(『陽気なギャングの日常と襲撃』裏表紙より引用)

 

正直、このあらすじを見てもどんなストーリーなのか、いまいちよくわかりません。4人のギャング達がそれぞれの日常の中で起こったトラブルが社長令嬢誘拐事件につながるのかな?…という印象。

一作目では4人のギャングたちの日常生活については謎だらけのままだったので、彼らの日常が垣間見れるというのはかなり楽しみです。

本作は四章で構成されており、第一章だけはさらに四つの短編で成り立っています。それぞれのタイトルは以下の通り。

第一章 悪党たちはそれぞれの日常を過ごし、時に、他人の世話を焼く
『巨人に昇れば、巨人より遠くが見える』
『ガラスの家に住む者は、石を投げてはいけない』
『卵を割らなければ、オムレツを作ることはできない』
『毛を刈った羊には、神も風をやわらげる』

第二章 悪党たちは前回の失敗を踏まえ対策を打つが、銀行を襲った後で面倒なことに気づく。
「一度噛まれると、二度目は用心する」

第三章 悪党たちは仲間を救い出すため、相談し、行動する。
「愚か者は、天使が恐れるところに突進する」

第四章 悪党たちは段取りどおりに敵地に乗り込むが、予想外の状況にあたふたとする。
「最大の富はわずかの富に満足することである」

〜A BONUS TRACK〜
海には、逃したのと同じだけのよい魚がいる。

なぜ第一章だけ4つのストーリーに分かれているのか気になるところですが、そこはひとまず置いておくとして、これらのサブタイトルを見るだけで「やっぱり好きやわ〜」と思うのは私だけでしょうか!?

みずたま
みずたま

サブタイトル読んだだけで、結構満足感を得られる、みたいな。

美味しいおかずの匂いだけでご飯が食べられる、的な?

本編を読む前にサブタイトルを見てどんなストーリーなのかを想像し、読み終わった後でまたサブタイトルを見ると「ほんと、そのとおり!」と納得しちゃいます。内容を一文で表現するとこうなるって感じ。

サブタイトルだけで楽しめるだけでなく、見ての通り本作ではボーナストラックまで楽しめる!しかもなんだか気になるタイトルですよね。

それでは、もう少し詳しい内容についてご紹介していきます。

『陽気なギャングの日常と襲撃』ってどんな本?

前述の通り、本作は四章から構成されています。目次を見て不思議に思ったのが、第一章だけはさらに4つのストーリーに別れていること。4人のギャング、それぞれの短編になっているんです。

普段、ギャングたちには当然それぞれの日常生活があるわけですが、そんな日常生活を垣間見れるのが第一章。

成瀬、響野、雪子、久遠の日常生活での出来事が描かれているのですが、特に成瀬と雪子の日常生活は新鮮に感じます。

みずたま
みずたま

銀行強盗なのに、地道にちゃんと仕事してる!!

喫茶店のマスターである響野さんもちゃんと仕事してるんだろうけど、「ちゃんと仕事してる感」は成瀬さんと雪子さんがすごい。久遠くんに関しては仕事してるのかどうか、いまだ謎ですね。

どのストーリーも面白かったのですが、第一章を読み終わって感じたのは、やっぱり4人の絡みが見たい!!ってこと。

どのストーリーも面白いんですよ!?面白いけど、やっぱり4人が別個ってのはなーんか寂しい。多分、本作は4人のギャングたちの短編集なんだろうな…と思ってたら、第二章からは話が一つにまとまります!!

あとがきを読んでわかったのですが、本作は当初、4人のギャングたちをそれぞれ主人公にした短編集にする予定だったのを、一つの長編に変更したそうです。

ぶっちゃけ、やっぱり4人がいいですね。第二章からは「これこれ!やっぱりこうでないと」と思いながら、読み進めました。もうなんなら、ストーリーなんてあってもなくてもいいから、彼らの会話を永遠に聞いていたい…という気にすらなります。

みずたま
みずたま

ストーリーなくてもいい…なんてことはさすがにないかw

そんなわけで、第一章の短編を序章としてストーリーは展開します。

第一章「悪党たちはそれぞれの日常を過ごし、時に、他人の世話を焼く」の内容は?

当初は短編集となる予定だったという事で、第一章は4人それぞれが主人公の短編となっています。その内容をざっくりとまとめました。

①『巨人に昇れば、巨人より遠くが見える』

この物語の主人公は嘘を見抜く名人・成瀬。ある日、外務の帰り道、成瀬は部下の大久保と共にクレーマー・門馬がマンションの屋上で刃物を突きつけられている場面に遭遇します。

嘘を見抜ける成瀬さんの活躍で、人質騒動のみならず、押し込み強盗事件まで解決してしまうというお話。

②『ガラスの家に住む者は、石を投げてはいけない』

このストーリーは響野が主役。お酒を飲んで記憶をなくしてしまう藤井。ノゾミという女性の書き置きがあるものの、記憶にはない。そんな「幻の女」の正体を響野さんが突き止めます。

③『卵を割らなければ、オムレツを作ることはできない』

派遣先の社員・鮎子の相談を受ける事になった雪子。鮎子は舞台劇のチケットを受け取ったのですが、それをくれたのは一体誰なのか?その正体を探るのに雪子さんが一肌脱ぎます。

④『毛を刈った羊には、神も風をやわらげる』

こちらは久遠が主人公となるお話。ある日、公園で誰かに殴られていた和田倉と出会った久遠。

和田倉を殴っていたのは誰なのか?どのような理由で和田倉を殴ったのか?久遠くんがそれを探ります。

第二章「悪党たちは前回の失敗を踏まえ対策を打つが、銀行を襲った後で面倒なことに気づく。」の内容は?

第二章では、第一章に登場する人物が絡んできます。短編集にする予定を変更して、長編として動き始めるストーリー。

4人のギャング達が銀行強盗をしたある日のこと。成瀬は銀行を立ち去る時に見た女性が気になっていました。

どこかで見覚えがあると思っていたら、その女性は成瀬の部下である大久保の彼女だったんです。

大久保の彼女・筒井良子は筒井ドラッグの社長令嬢。そう、陽気なギャングたちは彼女の誘拐事件に巻き込まれる…というか首を突っ込んでいくのです。

筒井良子を誘拐した男の財布を擦っていた久遠くん。それを手がかりに筒井良子の居場所を突き止める事ができたのですが、久遠くんまでもが人質にとらわれてしまう事に。

第三章「悪党たちは仲間を救い出すため、相談し、行動する。」の内容は?

第三章はタイトル通りの内容です。誘拐された筒井良子だけでなく、犯人に囚われた久遠くんを助けるために行動開始!

みずたま
みずたま

みずたまの推しメン・響野さんの魅力が爆発してるーww

人質にとられた久遠くんを救出しようとする3人。その頃、久遠は社長令嬢・良子と接触します。

良子の話によると、誘拐犯はマヌケなお人好し。自分たちの名前を知られてしまっている上に、誘拐した理由を良子に話して協力を頼まれたとか。

みずたま
みずたま

緊迫感なさすぎる誘拐事件やなw

その後、成瀬たちが救出するまでもなく、久遠は解放されるのですが、良子は誘拐されたまま。久遠くんの話では、いかにもチンピラという男が現れて、久遠くんを車から放り出したのだとか。

でも、やられっぱなしの久遠くんではありません!しっかりちゃっかり、そのチンピラ風の男の財布を擦っていたんです。

 

ここから新たな作戦を練って、いざ行動開始!

第四章「悪党たちは段取りどおりに敵地に乗り込むが、予想外の状況にあたふたとする。」の内容は?

第四章も内容を凝縮すると、タイトル通りとなっています。社長令嬢と久遠くんを救出すべく、段取り通りに敵地に侵入。でも、予定とは違う状況に戸惑ってしまいます。

何がどうなってるのか状況を把握できないまま、なんとか無事に誘拐されていた良子と合流できた久遠と響野。

でも事態はますます悪くなるばかり。銃を持った男に追いかけられるという大ピンチ!ドキドキハラハラのスリリングな展開に、驚きの結末が待っています。

みずたま
みずたま

ラストは「そうきたか!!」って感じw

 

ボーナストラック

ボーナストラック「海には、逃がしたのと同じだけのよい魚がいる。」は響野さんの奥さんである「祥子さん」がメインのお話。

個人的に一作目ではさほど印象的ではなかった祥子さんですが、本作を読んですごく魅力的な女性だなと感じました。

みずたま
みずたま

こんな女性になりたい。マジで。

第一章の雪子さんの短編にも登場するのですが、多分美人で人当たりが良くて、それでいて全然嫌味がなくて。

響野夫妻の喫茶店に行って、祥子さんに話を聞いてもらいたい!そんなふうに思っちゃう女性なんですよね。

 

感想まとめ

この作品のレビューを書いていて思うのは、ストーリーの内容も面白いんだけど、それ以上にキャラクターに惹かれてしまってる感じ。彼らに会いに行ってるような感覚かもしれません。

みずたま
みずたま

ぶっちゃけ、ストーリーでいうと伊坂さんの作品の中でピカイチってわけじゃない気がする。

でも伊坂さんの魅力が満載な作品って感じ!

 

正直に言うと個人的には、小説としては前作の「陽気なギャングが地球を回す」のほうが面白かったです。本作も十分に面白いのですが、物足りなさが残ったのも事実。

みずたま
みずたま

で、その後どうなったん?ってめっちゃ気になるー!!

良子と大久保のその後や、小西と大田のその後。和田倉のその後も気になるし、鬼怒川のその後も!!

プツンと糸が切れたような終わり方…という読後感があるのが物足りなさの理由かな。

それでもやっぱり、4人のギャング達の魅力からは抜け出せません。シリーズ三作目も今すぐ読みたい気持ちにかられるほど。

三作目がどのようなストーリーなのか、さっぱりわからないのですが、願わくば成瀬さんがびっくり仰天させられるような結末がいいな。

どんな嘘も見抜いてしまうから、成瀬さんが出し抜かれるなんて有り得ないんだろうけど…。

とにかく三作目も楽しみ!楽しみですが、読むのはもう少しお楽しみにとっておくつもりです。

 

コメント

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